ペットロス症候群の実態 高校生が体験した喪失感と症状【第2話】

はじめに

みなさん、大切なペットを失ったことありますか? 特に、高校生の時にそんな経験をしたら、どんな風に感じるだろうって想像したことはありますか? 私が17歳の時、愛猫のたろすけを突然失った時の話をしたいと思います。

当時は「ペットロス症候群」なんて言葉、全然知りませんでした。でも今思えば、まさにその症状を経験していたんだなって気がします。高校生の時期って、勉強や部活、友達関係などでいっぱいいっぱいですよね。そんな中でペットを失うって、本当に辛い経験でした。

突然の別れで感じた喪失感

たろすけが突然いなくなった時、言葉では表せないくらいショックでした。心に大きな穴が開いたみたいな感じ。一日中泣いていて、おばあちゃんが慰めてくれても、その言葉が耳に入ってこなかったくらいです。

特に辛かったのは、家に帰った時。いつもたろすけがいた場所が空っぽで、その存在の大きさを改めて感じました。障子に開いていたたろすけの専用の出入り口を見るたびに、胸が締め付けられる思いでした。

この喪失感、大人になった今でも鮮明に覚えています。高校生の時って、感情が特に強く出やすい年頃だと思うんです。だから、ペットを失う悲しみも、より深く感じたのかもしれません。

たろすけがいなくなってから、家の中の雰囲気も変わりました。たろすけの食器や遊び道具を見るたびに、涙が出そうになって。でも、片付けるのも怖くて。なくなったものを認めたくない気持ちがあったんです。

高校生特有の症状

ペットを失った後、いろんな症状が出てきました。みなさんも似たような経験をしたことがあるかもしれません。

  1. 集中力の低下: 勉強への影響が本当に大きかったです。全然集中できなくて。教科書を開いても、たろすけのことばかり考えてしまって。受験を控えていた時期だったので、これはマズいなって焦りました。

数学の問題を解いていても、途中でたろすけのことを思い出して手が止まってしまうんです。「もし、たろすけがいたら…」って考え始めると、もう問題に戻れなくなっちゃって。

  1. 感情の波: 学校にいる時と家にいる時で、気持ちが全然違いました。学校では友達と話したり授業を受けたりしているうちに、一時的にせよたろすけのことを忘れられる時間があったんです。でも、家に帰るとまた悲しい気持ちがよみがえってきて。この感情の波に振り回される日々が続きました。

電車の中でふと窓の外を見ていると、たろすけのことを思い出して涙が出そうになったり。でも、人前で泣くのも恥ずかしくて必死に我慢したり。そんな日々が続きました。

  1. コミュニケーションの変化: 不思議なことに、友達にたろすけのことを話すことはほとんどありませんでした。なんて言っていいかわからなかったんですよね。今思えば、誰かに話せていたら、もう少し楽になれたかもしれません。
  1. 身体的な症状: 夜、なかなか寝付けないことが多くなりました。たろすけのことを考えてしまって。朝起きるのも辛くて、食欲も落ちて、とにかく精神的にきつかったです。
  2. 罪悪感: 「もっとたろすけと時間を過ごせばよかった」「最後にもっと構ってあげればよかった」って、後悔の気持ちがすごく強かったです。この罪悪感、結構長く続きました。

特に、たろすけの最期に立ち会えなかったことが、ずっと心に引っかかっていました。「もし、そばにいてあげられていたら…」って考えると、本当に辛くて。

  1. 現実逃避: 時々、たろすけがまだ生きているような気がして。「もしかしたら、どこかに行っただけで、いつか帰ってくるんじゃないか」って思うことがありました。理屈では分かっているんだけど、そう信じたい気持ちがあったんです。

高校生ならではの難しさ

高校生の時にペットを失うのって、大人になってからとはまた違う難しさがあると思います。

まず、周りの人に理解してもらえない感じがすごくありました。たろすけは私にとってただのペットじゃなくて、大切な家族だったんです。でも、そんな気持ちをうまく伝えられなくて。

それに、受験や進路のことも考えなきゃいけない時期だったので、そのプレッシャーも大きかったです。たろすけのことで悲しんでいる場合じゃないって思う反面、集中できない自分にイライラしたり。「たろすけのためにも頑張ろう」って思えるようになるまで、ちょっと時間がかかりました。

進路相談の時、先生に「最近元気がないね」って言われて。でも、本当の理由を話せなくて。「ちょっと体調が…」なんて嘘をついちゃいました。本当は「ペットを失って辛いんです」って言いたかったんだけど、そんなこと言っても理解してもらえないんじゃないかって思って。

今思うこと

今、30年以上経って振り返ると、あの経験は本当に辛かったけど、同時に大切な思い出にもなっています。高校生の時期にペットを失うって、本当に複雑な感情を経験することになるんだなって思います。

たろすけのことを思い出すと、今でも少し胸が痛くなります。でも、同時にたろすけとの楽しかった思い出も、たくさん蘇ってくるんです。時間が経つにつれて、悲しい気持ちだけじゃなく、感謝の気持ちも強くなってきました。

でも、みなさんにも伝えたいのは、その気持ち、辛い時は辛いって言っていいんです。一人で抱え込まないで、誰かに話してみるのも良いかもしれません。

そして、時間が経つにつれて、悲しい気持ちは少しずつ和らいでいきます。たろすけとの思い出が、いつか温かいものに変わっていくんです。それまでは、自分の気持ちに正直に向き合ってあげてください。

ペットロスの経験は、人それぞれ違うと思います。でも、高校生の時期のペットロスには、特有の難しさがあるんじゃないかな。勉強や部活、友達関係、将来のこと…いろんなことが絡み合って、より複雑な感情になるんです。

だからこそ、高校生のみんなには、自分の気持ちを大切にしてほしいなって思います。辛い時は辛いって認めていいんです。無理に頑張らなくても大丈夫。少しずつ、自分のペースで前を向いていけばいいんです。

次回は、こういった症状とどう向き合っていったか、もう少し詳しくお話ししてみようと思います。みなさんの経験や思いも、ぜひ聞かせてくださいね。一緒に、ペットロスについて考えていけたらいいなって思います。

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