はじめに
みなさん、受験って本当に大変ですよね。でも、そんな大切な時期に大切な家族を失うってどんな感じか、想像したことありますか? 私は高校3年生の時、センター試験と大学入試の間という一番大事な時期に、愛猫のたろすけを亡くしました。今日は、その時の経験をみなさんと共有したいと思います。
センター試験直前:たろすけとの最後の日々
センター試験が近づくにつれて、部屋に籠もって勉強する時間が増えていきました。そんな中、たろすけはいつもと変わらない様子で私の周りをうろうろしていました。特に印象に残っているのは、机の上に乗ってきては勉強の邪魔をするたろすけの姿です。
「たろすけ、邪魔だよ〜」って言いながらも、実は密かに癒されていたんです。必死に数学の問題を解いている時に、突然視界に入ってくるたろすけの短いしっぽ。参考書の上に乗っかってくる柔らかい肉球。今思えば、あれはたろすけなりの応援だったのかもしれません。
当時は「もう、邪魔しないでよ」って思っていましたが、今となってはあの時間がどれだけ貴重だったか、しみじみと感じます。たろすけは自分の生活リズムを全く変えることなく、いつも通りに私の側にいてくれました。受験勉強に追われる私と、マイペースに生きるたろすけ。今思えば、そのコントラストが妙に印象的でした。
受験勉強への影響:集中力との闘い
センター試験が終わり、次の私立大学入試に向けて勉強を再開しようとした時、突然の喪失感に襲われました。机に向かうと、たろすけがいない静けさが妙に気になって。「たろすけ、邪魔してよ」って心の中でつぶやいていました。勉強を邪魔してくれるたろすけが恋しくて、集中できない日々が続きました。
特に辛かったのは、たろすけのいない静かな部屋です。今まで当たり前だと思っていた日常が、突然崩れ去ってしまった感覚。勉強しなきゃいけないのに、たろすけのことばかり考えてしまって。でも、たろすけのことを考えると涙が出てきて、また勉強に集中できなくなる。そんな悪循環が続きました。
先生や親からは「ここが踏ん張りどころだ」って言われるんですが、正直なところ、受験どころじゃないって思うこともありました。でも、同時に「たろすけのためにも頑張らなきゃ」って気持ちも湧いてきて。その葛藤が、また辛かったです。
周囲の理解と支援:言えない辛さ
家族は私の様子を心配してくれました。特におばあちゃんは、黙って側にいてくれたり、たまにたろすけの思い出話をしてくれたり。直接的な慰めの言葉よりも、そういう何気ない支えが本当に助けになりました。
でも、学校や塾ではなかなか本当のことが言えませんでした。「ペットが死んだから勉強に集中できない」なんて言っても、理解してもらえないんじゃないかって。だから、ただ「ちょっと体調が悪くて…」なんて言い訳をしていました。
友達には、ほとんど話せませんでした。みんな受験で精一杯な時期。自分の辛さを話すのが、なんだか申し訳なく感じたんです。今思えば、誰かに話せていれば少し楽になれたかもしれません。
受験直前:悲しみと闘いながら
大学入試が近づくにつれて、なんとか気持ちを切り替えようと必死でした。たろすけとの思い出を心の支えにしながら、少しずつ勉強に集中できるようになっていきました。
時々、集中力が途切れそうになると、「たろすけ、力を貸して」って心の中で呼びかけたりもしました。不思議なことに、そう思うと少し落ち着けたんです。たろすけがいない現実は変わらないけど、たろすけとの思い出が私を支えてくれているような気がしました。
振り返って思うこと
結果的に、なんとか志望校に合格することができました。でも、正直なところ、合格の喜びよりも「たろすけに報告したい」という気持ちのほうが強かったです。
今、あの経験を振り返ると、受験勉強とペットロスの両立は本当に難しかったなって思います。でも、同時にたろすけとの思い出が、私に頑張る力をくれたのも事実です。
たろすけとの最後の日々、もっと一緒に過ごす時間を作ればよかった。勉強そっちのけでも、思い切り遊んであげればよかった。そんな後悔は今でも少し残っています。でも、たろすけはきっと、私なりに精一杯頑張ったことを喜んでくれているんじゃないかなって思います。
みなさんへのメッセージ
受験生のみなさん、もしペットロスを経験したら、それは本当に辛いことだと思います。でも、決して恥ずかしがることじゃないんです。辛い時は辛いって、誰かに話してみてください。
そして、亡くなったペットのことを思い出しながら、「一緒に頑張ろう」って思えたら、それはきっと大きな力になるはずです。大切な家族との思い出は、私たちを強くしてくれると信じています。
次回は、ペットロスからの回復過程について、もう少し詳しくお話ししようと思います。みなさんの経験や思いも、ぜひ聞かせてくださいね。
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